2025/01/15に、
森美術館で開催中の
「ルイーズ・ブルジョワ展 地獄から帰ってきたところ 言っとくけど、素晴らしかったわ」を観に行きました。
六本木ヒルズの巨大な蜘蛛の彫刻《ママン》で知られるブルジョワの大規模個展は、
日本では27年ぶりとのことです。
27年前は横浜美術館でしたね。
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なんと27年前の図録(右)が家にありました。
左は今回の図録です。
展示では、彼女の70年にわたるキャリアから、
インスタレーション、彫刻、ドローイング、絵画など約100点が紹介されており、
その多様な表現手法に圧倒されました。
特に印象的だったのは、
巨大な蜘蛛の彫刻《かまえる蜘蛛》です。
この作品は、ブルジョワが母親を蜘蛛に喩え、
その強さと保護者としての役割を表現したものだそうです。
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一方で、彼女の作品には女性性やセクシュアリティを前面に押し出した表現が多く見られ、
その強烈なメッセージ性に圧倒されると同時に、
鑑賞者として複雑な感情を抱きました。
女性性を押し出さずとも、作品自体の強度・圧力があるから、
それで十分という思いと、
それでも鑑賞者はストーリーが必要なのかなあという思いがあります。
ブルジョワ自身は、
自身の経験や感情を作品に投影し、
男性と女性、感情と理性、愛情と憎しみといった二律背反のテーマを探求していたとのことです。
(参考:相反する感情の本質を作品に込めた、ルイーズ・ブルジョワという生き方)
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個人的には、ホログラムの作品が
初めて見る表現手法だったので、大変気になりました。
彼女の作品は、観る者に強いインパクトを与えると同時に、内省を促す力を持っています。
ルイーズ・ブルジョワの芸術を通じて、人間の内面や感情の複雑さについて深く考えさせられました。
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