昨日(2025/02/05)は今津景さんの展示に行ってきました。
今津景
タナ・アイル
Kei Imazu
Tanah Air
2025年1月11日[土]-3月23日[日]
東京オペラシティアートギャラリー
1980年山口県生まれ。インドネシアのバンドン在住。2007年に多摩美術大学大学院美術研究科を修了。
引用:https://www.operacity.jp/ag/exh282/j/profile.php
今津景さんの「タナアイル」展を鑑賞し、
まず感じたのは、作品における絵の具の「食いつき」の良さでした。
これは個人的な記憶とも結びつきます。
美術大学受験のために通っていた予備校時代、
講師から「絵の具の食いつきが悪い」と指摘されたことを思い出しました。
今津さんの作品は、
絵の具が画面にしっかりと定着し、
まるでそこに必然的に存在しているかのように
「ピタッとはまっている」感覚を受けました。
沢山のイメージがコラージュのように画面に溢れおり、
膨大な情報量、エネルギー量をのせた力強い世界観でした。
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特に巨大な作品が多く、
画面全体に広がる力強さと緻密さのバランスが印象的でした。
また、作品からは神話的な雰囲気も感じられます。
今津さんは、インターネットなどのメディアから画像を引用し、
それらをPhotoshopで加工したものを下図として油彩画に起こしているそうです。
これは現代の多くの作家にも見られる手法ですが、
その中でも彼女の作品は独自の存在感を放っていると感じました。
また、女性作家に多く見られる女性性の強調がなく、
むしろそれを超越した表現がなされている点にも好感を持ちました。
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また、インドネシア在住である今津さんの作品には、
日本とインドネシアという二つの文化や環境を背景にした視点が
反映されているように思えました。
異なる土地での経験や思考が重なり合い、
作品に深みを与えている。
そのような視点に触れることで、
自分自身の環境や状況、過去・現在・未来についても
考えさせられる展示だったと思いました。
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